『向日葵の咲かない夏』感想

「幻想はいともたやすく現実に紛れ込む」と解説にある通り、そして生まれ変わったS君が冒頭から何度も指南するように、「思い込みは禁物」なのだ。

古今の歴史が示すところによれば、あらゆる物語には、ひとつの視点が介在し、それでいてあらゆる時代に読み替えが可能なのだ。歴史は繰り返すのではなく、事実としては歴史が読み替えされ、都合のいいように照合されているにすぎない。なぜならば、誰の作った物語であろうとも読んでいるのは他でもない私なのだから。