いつしかついて来た犬と浜辺にいる

気になる事件と考えごと

1950年代以前

両脚のない漂流者——サンディ・コーブのジェローム

カナダ東部ノバスコシア州にはある奇妙な男の実話といくつかの逸話が残されている。 沈黙の漂流者 1863年9月8日のこと、カナダ東部ノバスコシア州ディグビー郡サンディ・コーブ海岸で海藻採集をしていた漁師たちが奇妙な男性を発見する。 大人たちと一緒に作…

現職警官による告発——二俣事件

天竜川中流、阿多古川の流れとぶつかる東岸、浜松と磐田を結ぶ街道の合流地点に二俣城は築かれた。戦国時代には徳川と武田が城の争奪戦を繰り広げた要所であった。 その城下町が基となった静岡県二俣町は浜松駅から北へ約20キロに位置しており、山深い北遠地…

連続強姦魔・小平義雄事件

戦後の混乱に跳躍した驚異の連続強姦魔・小平義雄。女性たちはなぜ中年男の口車に騙されてしまったのか。

帝銀事件について [2/2]

本稿は帝銀事件について、平沢貞通逮捕後の後編にあたる。 逮捕までの事件概要等については前編をご参照されたい。 sumiretanpopoaoibara.hatenablog.com ランキング参加中オカルト同好会 首実検 移送直後の首実検(面通し)は、帝銀事件の生存者から3人と未遂…

帝銀事件について [1/2]

1948年、帝国銀行椎名町支店で起きた前代未聞の大量毒殺強盗事件。半年後に日本画家が逮捕されて死刑判決が確定し、95歳で獄死するまで無実を訴え続けたが、その雪冤は果たされていない。逮捕に至る背景にはGHQの介入があったと目されており、戦後最大の…

BOACスチュワーデス殺人事件

国際線スチュワーデスとして女性が不審死体となって発見され、交友関係から疑惑が浮上したベルギー人カトリック神父は取り調べの途中で帰国。はたして神父の関与は?その背後に蠢くものとは。 ランキング参加中オカルト同好会 概要 1959年(昭和34年)3月10日7…

首なし事件【正木ひろし】

ときは太平洋戦争の渦中にあった1944年(昭和19)1月、茨城県で起きた警察による炭鉱夫暴行死事件について記す。 首なし娘事件(1932)のように頭部が切断された状態で遺体が発見された猟奇殺人とは全く毛色の違う事件である。頭と胴を切り離すことで、「病死」…

免田事件について

熊本県で起きた一家四人殺人事件で犯人とされた免田栄さんが2020年に亡くなった(享年95)。死刑を言い渡され、獄中から34年間にわたって無実を訴えながら再審請求を続け、6度目にして晴れて無罪判決を得た。 「自由社会に帰ってきました」「浦島太郎になった…

サッカー・ワールドカップ盗難事件

オリンピックとともに世界的な祭典として知られるサッカー・ワールドカップ(W杯)。現行のトロフィーは「3代目」だが、初代である「ジュール・リメ杯」は2度の盗難に遭い、現在も発見されていない。その数奇な運命についてみていきたい。 ■ワールドカップ19…

アルバート・フィッシュの告白

アメリカのシリアルキラー、アルバート・フィッシュ(1870-1936)について記す。 “グレイマン”、“ブルックリンヴァンパイア”、“ムーンマニアック”、“ウィステリアの狼男”、“ブギーマン”など数々の異名を持ち、その犠牲者は100人は下らないとも言…

ノワールへの憧憬—ブラック・ダリア事件について

カルフォルニア州ロサンゼルスで発生し、70年以上を経た現在も語り継がれる戦後アメリカの象徴的な猟奇殺人ブラック・ダリア事件について

マイソールの黒熊/ペトロパブロフスク羆事件/秋田八幡平クマ牧場事件

本稿では、インド「マイソールの黒熊」、ロシア・カムチャッカ半島で起きた「ペトロパブロフスク羆事件」、「秋田八幡平クマ牧場事件」ほか、熊によるいくつかの襲撃事件などを見ていきたい。 近年、日本国内では熊の遭遇事案は増加傾向とも言われ、被害防止…

札幌丘珠羆事件・石狩沼田幌新事件

野生の熊は警戒心が強いため遭遇する機会こそ少ないが、テリトリーを侵害されたと感じたり、仔熊を守るといった習性から、むやみに人が接近すれば危害に及ぶ。また一度、食害に味を占めてしまった個体は好んで人を狙うおそれもあるとされる。 前回のエントリ…

三毛別羆事件について

漫画『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎は強敵・猗窩座(あかざ)との死闘の最中、病死する十日前に父・炭十郎が巨大熊と闘った夜のことを回想する。 山向こうで6人を襲った“人食い熊”が家に接近していることを察知した炭十郎は、夜の雪山に幼い炭治郎を連れ…

アナタハンの女王事件

第二次世界大戦末期の動乱により生じた統治の空白地帯で起こった、島でたった一人の女性を巡って男たちによる殺戮が繰り返された事件である。 1972年にグアム島から横井庄一さん、74年にフィリピン・ルバング島から小野田寛郎(ひろお)さんが帰還し大きなニ…