いつしかついて来た犬と浜辺にいる

気になる事件と考えごと

movie

映画『ノロイ』(2005)感想

白石晃士監督作品、映画『ノロイ』(2005)について記す。 自宅が全焼して妻を亡くし、自身も行方不明となった怪談作家・小林雅文。2004年、彼が最後に発表した映像作品を主軸に構成され、作中で彼が真相を追い求めた怪奇な出来事の因果が、最終的に彼の身にも…

映画『LAMB』(2021)感想

ヴァルディミール・ヨハンソン監督の長編デビュー作『LAMB』について感想など記す。 2021年カンヌ映画祭ある視点部門で話題を集めた、超自然的存在と伝承的なフォーク・ホラーのハイブリッド作品である。ワールドプレミアに先立ち、『ヘレディタリー/継承』…

映画『哭悲/THE SADNESS』感想

台湾発エクストリーム級ホラー映画『哭悲/The Sadness』(2021)のあらすじ、監督・キャスト、感想など。 “ちょっと普通じゃない”脅威的なホラー映画なので、過度の暴力やスプラッター描写が苦手な方は見ないことをおすすめします。自発的にスナッフフィルム…

越境する狂気と愛 映画『TITANE/チタン』感想

ジュリア・デュクルノー監督による2021年のフランス・ドイツ合作映画『TITANE/チタン(原題:Titane)』の感想などを記す。 第74回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受け、「カンヌ史上最も奇天烈」「驚愕、混乱、困惑」と評される怪作である。 youtu…

事件を基にした映画29; Movies based on true crime stories

実在の事件をベースにした映画29作品について記す。 事件そのものを描いた作品のほか、事件や犯人からインスピレーションを得て生まれた作品、物語の本筋と直接関係しないものの時代背景の一部として登場するものも含まれる。 事実がどのようなものだったか…

韓国ホラー映画『コンジアム』感想

三度の飯よりオカルトが好きという好事家であれば、米CNNトラベルが選定した世界十大奇異スポットはご存知かと思う。 1.昆地岩精神病院(韓国、京畿道広州市) コンジアム韓国版 南霊神経精神科病院。本作のメインテーマとなったコンジアム精神病院は「か…

母は荒野で踊り出す 映画『母なる証明』感想

これほど印象的な映画のオープニングシーンを見たことがない。 本作の主人公“母”役を演じたのは、韓国MBCで1980年~2002年まで放送回数1088回を数えた最長寿ホームドラマ『田園日記』で姑役を演じ、“国民の母”と呼ばれた大ベテラン女優キム・ヘ…

肝を潰せ!Netflix映画『ザ・コール』感想【ネタバレ】

Netflixで配信されているサスペンス映画『ザ・コール(콜、THE CALL)』(2020、韓国、1時間52分)について、内容+感想など徒然なるままに記します。一言でいえば、 胸糞映画ファンにはたまらない刺激に満ちた傑作なので万が一見ていないのなら「読む前に見…

エクソシスト映画『ザ・ライト』『エミリー・ローズ』感想

過去エントリー『異端の歴史と魔女狩りについて』では、キリスト教、ローマ・カトリックから見た異教徒・異端者の変遷を扱った。 古代ギリシア哲学においてデーモン daemonはそもそも天啓・インスピレーションのような観念であり、人に善き道を示すデーモン…

【ネタバレ】最強おじいちゃんは今夜もあの娘の夢を見る 映画『ドント・ブリーズ』感想

脚本監督フェデ・アルバレスはSF短編『Ataque de Pánico! Panic Attack!』(2009)をサム・ライミに評価され、『死霊のはらわた』リメイク版(2013)の監督に大抜擢されたものの、オリジナルの妙味であったユーモアの趣を排し、凄惨なスプラッター描写に徹した結…

桶川ストーカー殺人事件・ドラマ『ひまわり』感想

2003年12月テレビ朝日系列・土曜ワイド劇場枠で放映されたドラマ『ひまわり』の感想など記す。 原作は同系列の報道番組『ザ・スクープ』に出演していたジャーナリスト鳥越俊太郎・取材班らによる『桶川女子大生ストーカー殺人事件』で、冒頭にもご遺族への取…